WORK FOR にっぽん(旧(WORK FOR 東北) - ともに働く。ともに育つ。

日本財団

東北での出会いと経験がビジネスマンとして、人として幅を広げた ソニー株式会社 → 一般社団法人RCF復興支援チーム(岩手県釜石市駐在) → 株式会社リヴァンプ 山口幹生氏

原発事故の影響が続く福島県双葉郡で、8町村が協働して未来を担う人材育成に取り組むことを目指して策定された「福島県双葉郡教育復興ビジョン」。カリキュラムの策定や中高一貫校の設立など、8町村の教育委員会が自治体の枠を超えて連携しています。
この取り組みを協議・推進する「福島県双葉郡教育復興ビジョン推進協議会」の事務局で2014年8月から勤務するお二人にお話をお聞きしました。

福島発、日本初のプロジェクトに取り組む

この仕事に応募したきっかけは何だったのでしょうか?

赤司:出向元のプライスウォーターハウスクーパース株式会社(PwC)では、企業の事業再生のコンサルティングを行っていました。以前から、今後の日本を考える上で、医療、教育、農業は重要だと思っており、いつか教育に関わってみたいと思っていたのと、復興にも関心があったので、社内で出向の公募が出ているのを見たとき「これだ!」と反射的に応募しました。復興×教育という、いまこの時の日本でしか関われないテーマ、そして日本、福島にとって絶対に必要なプロジェクトだ、と直感的に思いました。

山中:教育専門紙の広告営業を6年弱、その後、RCF復興支援チームで水産業の復興支援に半年ほど携わっていました。このプロジェクトが人を募集していると知って、以前教育に関わっていたこともあり、挑戦してみたいと手を挙げました。「いま手を挙げなければずっと気になり続けるだろう」と思って。

現在のお仕事の内容を教えてください。

赤司:持続可能な地域づくりに貢献し、全国や世界で活躍できる人材を育てることを目的として福島県双葉郡の8町村が協働で取り組む「双葉郡教育復興ビジョン」の推進プロジェクトで、全体のマネジメントを担当しています。各自治体の教育長との協議や各町村間の調整、指針の作成など、業務は多岐にわたります。子供たちのために実際に動くのは教育委員会や学校の先生で、その方々をサポートすることが私たちのミッションです。目指すところは決まっているけどどうやるかが決まっていない中で、自分たちでやるべきことを整理し、仕事を作り出しながら進めているという感覚です。

山中:「双葉郡教育復興ビジョン」の中でも特に、「ふるさと創造学」の推進に携わっています。「ふるさと創造学」とは、ふるさとに関わる課題解決型・探究的な学びを通じ、学校・地域総がかりで子どもたちの生きる力を育むことを目指した、双葉郡8町村の取り組みです。学校では、「総合的な学習の時間」等において伝統芸能や食育等でふるさとの魅力にふれたり、地域が抱えている課題をどう解決していくかを考えたり、復興に向けた地域の活動を発信したり、各町村の特色を生かして取り組んでいます。各町村の学校間の連携や、双葉郡内の8町村が連携したイベントの運営などに携わっています。

以前のお仕事の経験は役に立っていますか?

赤司:教育分野の仕事は初めてですが、今の仕事もコンサルティングも、進め方は大きく変わらないと感じています。多くの関係者間の調整をし、一つの目標に向かうサポートをするという点は共通しているので、プロジェクトマネジメントの経験が生きていると思います。

山中:教育業界にいたこと、半年間とはいえ復興に関わっていたことは役に立っています。ただ、実際に地域の中、行政の中に入ると、身を置いてみないとわからないことがたくさんあって、異文化交流のような感覚も持っています。

赤司:偶然なのか、教育や復興には関わっていなかったけれどプロジェクトマネジメントの経験があった私と、教育・復興分野の経験がある山中さんと、うまくペアになっていますよね。

第三者ならではの視点で、地域の自信と誇りを育むサポートを

やりがいや苦労していること、またその中で工夫していることはありますか?

山中:8つの自治体に関われるのはやりがいがありますね。

赤司:8町村で「教育復興ビジョン」を作りましたが、震災直後と現在で状況が変わってきている面もあります。例えば、帰還が始まっている地域と、帰還には時間がかかる前提で避難先においてどうコミュニティを作るかが課題となっている地域とでは、最終的に目指すものは変わらなくても、いま必要とされることは異なります。事業再生の仕事も関係者間の調整が難しかったですが、教育や地域に関することは、人の思いの部分が強いので、それぞれの町村の思いを汲み取りながらプロジェクトを進めていくことに苦心しています。一方で、寄り添うのは大切だけど、同じ目線になってしまったら第三者として私がここに来た意味がなくなってしまう。そのバランスに気をつけています。

教育ビジョンに関わる中で実現したいことは?

山中:現場の先生方でまわっていく、自走できる状態が目標です。そのためには、先生方に成功体験を実感していただくこと。この教育ビジョンを通じて、子どもたちだけでなく先生方にも自信と誇りを持ってもらいたいと考えています。
赤司:取り組んでいるのは「教育ビジョンの推進」ですが、大切なのは教育を中心として地域のコミュニティを作ることだと考えています。その中で、私たちの役割は「つなぐ」こと。地域と地域をつなぐ、教育と地域をつなぐ、双葉郡や福島と国や全国の企業をつなぐ、そうすることで相乗効果を生み出していきたいです。

(2014年11月14日取材)

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